過去を断ち切って生きる

2013年11月20日

心が過去に縛られているならば、自由はありません。
人間の心の自由が失われるということ─
それは過去の記憶が「現在」を縛ることから生まれます。

「自由」は過去の中には決してありません。
過去の記憶から、様々な情緒が生まれます。
精神が過去に囚われ、過去にすがっているかぎり真の自由はありません。
というのも、その過去こそ恐怖や悲しみを作る原因だからです。

幾千の昨日に対して完全に死ぬこと。
それがどんな喜ばしい思い出であろうとも、
またどんなに幸せなものであろうとも、その過去に対して死ぬこと。
過去に執着することから、自由は失われます。
執着があるところには、不安や恐怖が常にあります。
過去から決別することなくして、精神を自由はありません。

人間の精神の性質は、常に何かに固執し、それを守り通すことにあります。
知識、経験、快楽、享楽、満足、人気、名誉、財産─
これらはすべて過去の記憶として蓄えられているものです。
それはその人の財産となり、精神的な支えとなります。
だからこそ、それらを─つまり過去を─を失うことを恐れる気持ちが生まれるので
す。
なぜなら、その過去の記憶がその人のすべてだからです。

この執着的で自己防衛的な精神の活動性を理解し、
過去を完全に断ち切ることによってのみ、人は真の自由を見出します。
自由は、過去への執着とその反復を超えた彼方にあります。


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