J.クリシュナムルティのメッセージ NO.22
2013年11月5日
もし人間が、ある一つの喜びや幸せに固執するようになれば、
やがてはそれが恐怖の温床となります。
あなたがそれほどに喜びを見出してるその快楽や慰め、その対象が、
突然の事故や老年、死の現実などによって終わりを告げるとき、
あなたは必ずや人生に行きづまりを感じ、絶望し、
そりによって悲しみや恐怖、虚しさが影のようにあなたにつきまとうでしょう。
あなたは自らの幸福を失うことを恐れます。
それと同時に、その幸福を失ったときは悲しみと絶望に打ちひしがれます。
精神というものは、この繰り返しの中で動いています。
この単純な精神の構造─自己執着の構造─を理解することが大切です。
自己への執着は、決して「愛」ではありません。
「愛」は快楽でもなく、欲望の産物でもありません。
「自分だけの喜びや幸せが続いてほしい」という思いがあるところに愛はなく、
むしろ心の混乱と悲しみ、冷酷さや無慈悲さがあるだけです。
自己中心的な思いは、愛を生みません。
あなたが考えるのは自分の安心だけであり、
自分の明日、自分の未来だけではないでしょうか。
それはいつまでも存続してほしいと願う「自分」への執着です。
しかし、その自己中心性こそが一切の混乱の根なのであり、
「愛」を破壊するその自己中心性が終わらないかぎり、
悲しみと恐怖は決して消えることはありません。
一切の自己執着、自己中心性が終わった時にこそ、愛と自由そこにあります。
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