自分への執着を捨てること

2013年10月31日

自己に執着する精神とは非常に未熟で卑小なものです。
そこには何の美も徳もありません。
自己中心的な精神というのは、混乱や暴力のもとです。
ですから人間はまずこの「自己執着」を終わらせなければなりません。

人間における真の美しさとは、自己を完全に放棄することです。
つまりそれはエゴを完全に捨て去って生きるということです。
自己中心的な活動こそが、自らの人生を混乱させているということを悟り、
その自己中心性を手放すこと、終わらせること。
それこそが本当の人間の成長、成熟です。

どんなに外見が美しくても、人間としての中身がエゴにまみれているならば、
その人は非常に醜い人間と言えます。
例えばこういうことを想像してみましょう。
目の前に咲いている一輪の花が、いきなり口を開いて悪口や愚痴を言い始めたら、
あなたはその花のことを「美しい」と思うでしょうか?
むしろ「なんて醜い花だ」と思いたくなるでしょう。
それは人間も同じことなのです。

花の美しさは、ただ無言で咲いているところにあります。
いきなり際限もなくお喋りをし始めたら、それは花の美しさを壊してしまいます。
無言で沈黙しているからこそ花の美はあります。
そして何よりも花は自我(エゴ)を持ちません。だから美しいのです。
花はただ無言で、無私で、無欲で、そこに咲いています。
そこに「真の美しさ」があります。完全なる自我放棄の美しさです。

人間も花と同じです。
自己執着、自己中心性があるならば、その人間はいつまでも幼稚で醜いでしょう。
しかし、自らの執着することをやめ、花のような無私に咲くならば、
そのときその人は真に美しく、清く、正しくあるでしょう。
そこには混乱もなければ、不安も、恐怖も、悲しみもないでしょう。

自己放棄の生、自己が無であるところに真の美があります。
それは生命そのものの美しさと厳粛さ、清らかさであり、
花のように完全な無私の生き方、完全なる美の生き方です。
それは人間としての本当の開花であり、それこそが唯一の真の幸福なのです。


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