神秘の扉 マイスター・エックハルト NO.9
2013年9月12日
罪というものは、自分自身の中にある。
そのことに納得いかないと思うかもしれないが、
問題はただ自分自身の我意(エゴ)なのである。
自分の我意から人生におけるあらゆる問題が起こるのであり、
我意なしにはいかなる不調和も起こりえない。
多くの人は問題の責を外部の事物に求める。
それは場所であったり、人間であったり、手法であったり、思想であったり、
あるいは特定の仕事や職業であったりする。
しかしそのような外部の事物が我々を妨害しているのではない。
むしろ妨げを作り出しているのは、それらの事物の中にいる自分自身なのである。
それらの事物に対して正しくない心で執着していることが原因なのだ。
だからこそ、まず自分自身から初め、自分自身を捨てなければならない。
つまり自分自身─我意、エゴ─を断ち切らなければならない。
自分自身そのものから逃れられないのであれば、
どこにいようとも自分の我意に縛られてしまうのであり、
あらゆる場面で混乱や不調和を作り出してしまうであろう。
たとえある人間が一つの国や全財産を捨てたとしても、
自分自身を捨てていないならば、その人は何ものも捨てたことにはならない。
逆にもしその人が完全に自分自身を捨て去るならば、
たとえ名誉や財産や富を所有していようとも、その人は全てを捨て去った人なのであ
る。
我意そのもの、自分自身を捨ててしまうならば、
たとえどのような生活をしていようとも、その人は幸福に生きることができる。
全ては己の心そのものにかかっているのであって、
外部の事物が罪や妨げを生み出すのではないのである。
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