神秘の扉 マイスター・エックハルト NO.7

2013年9月10日

己の意志を捨てる人、己自身を捨てる人、
あらゆる財産、精神的所有物そのものを捨てる人。
このような人は神のために己のすべてを放棄した人である。
そうであるからこそ、聖書にはこのように書かれている。
「幸福なるかな、心の貧しき者は」と。

心の貧しき者とは、すなわち己の意志に貧しき者にほかならない。
自分というもの、自分の欲、自分の願望、自分中心のすべてに貧しくあること。
聖書や聖者たちは我らに言い給うたことは、
「幸福でありたいなら、まず己自身を捨てよ」ということであった。
なぜなら、すべての苦悩と罪は「己」から生まれるからである。

まず第一に、己を完全に捨てることである。
そうすればその人は一切のものを捨てたことになる。
たとえいかなる財産、所有物、さらには全世界を捨てたとしても、
その人が自分自身を捨てないならば、その人は何ものも捨てたことにはならない。
なぜなら、その人は自分が捨てたものにいまだに執着しているからである。
逆にもしその人が根本から自分自身を捨て去るならば、
たとえどんな富や名誉を保持していようとも、その人は一切を捨てたことになる。
彼はあらゆるものを保持しながら、それらに執着していないからである。

真実はこのすべてにかかっている。
人は自分自身に注意し、もしそこに「己」を見出すならば、
迷うことなくそれを捨てなければならない。
そしてそれこそが最善のことなのである。


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