アメリカ・インディアンの叡智 NO.13

2013年6月3日

 

決して目に見えぬもの、
物質の次元を超えたもの、
そうした霊的な力が世界を満たしているという感覚は、
インディアンの生活の中ではごく当たり前にある。
それは何か異常なものでも、超常的なことでもない。

人間はその霊的なエネルギーを、
何かとても素晴らしい体験であるかのように追い求めがちだが、
霊的な力というものは追い求めるようなものではなく、
ごく自然に我々の身の回りにあるものなのだ。

人は自ら霊的なものを強引に求めたりするが、
しかしそのような欲に縛られた追求は人間の誤った方向性であり、
霊的なものばかりに偏るとかえって精神が混乱してしまうことにもなる。
霊的なものは欲によって追い求められるようなものではない。

何もすることはない。
ごく自然に心を静め、静かにじっと見つめ、聴いていれば、
かの大いなる力がそこにあるということを感じ取ることができるだろう。
それは求めずとも「そこに生きているもの」であり、
この宇宙を満たしているエネルギーである。

あなたが何をしなくとも、世界は生き続けている。
世界は大いなるエネルギーとスピリットによって動いている。
その生きたエネルギー、万物の活動に、
物を超えた霊的な力─グレート・スピリット─が宿っている。
この大いなる力は、我々人間が所有できるようなものではない。

人間は小さな存在にすぎない。
この大いなる力を前に、我々は生かされている存在である。
このことをしっかり自覚し、
グレート・スピリットに畏敬の念を抱きそれと共に生きること、
それが人間としての本来のあり方なのだ。


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