スピリチュアルは「自力」ではない

2013年5月29日

 

私たちの多くは「自分は力を持っている」と思い込んでいます。
そしてその力によって、霊的な成就やスピリチュアルな体験を追い求めます。
自分には霊的な成長を達成できる力がある、
自分には神秘的な体験を自分の力で起こすことができる、
このような自己を過信した野心的な努力というものは悪しきものです。

自分の中には神を知ることができる力がある、
人間として高い霊的な次元に達することができる、
徳の高い人間、精神的に豊かな人間になれる力がある。
このように「自分の力だけで成し遂げられる」という思いは、
あまりにも傲慢で独りよがり、自己中心的な考えです。

傲慢な人は、自分は自力で霊の高みに達することができると思い込むでしょう。
このような考え方でしか生きていない人は、いずれ破滅します。
自己中心的な考え、自分の力というものばかり執着する心。
このような心は排他的で、精神的な孤立と傲慢さを生みます。

霊的な成長とは、自力で行うものではありません。
それは「恩寵」によってこそ起こるものです。
そもそもの初めから、「自分の力」というものはないのです。
私たちはこの宇宙に支えられ、その支えなくして一瞬たりとも生きられません。
「自分の力で生きている」と思うのは大間違いです。
私たち全ては「生かされている」のです。

恩寵とは、ごく自然なものです。
それは気がついたらそこにあるものです。
自分の力で求めたり、得たり、達成しようと思うのはただの欲望です。
恩寵は、宇宙的な叡智そのものです。
それは人間の力をはるかに超えたものであり、絶対他力と言えるものです。
霊的な成長は、自分の力で取り込むものではなく、
大地の花が自然に花開くように、無為自然のうちに開花するものなのです。
そうでなければ、それはスピリチュアルとは言えません。


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