あるがままの自分

2013年5月23日

私たちの多くは、
現在の生活が不満足であったり不幸なものであればあるほど、
未来にその代償を求めようとします。
また、内面的な生活においても、何かしら満足感を得られないと、
自分の心を満たしてくれる何かを欲します。

「今のままでは足りない」
「もっと幸せが欲しい」
「もっと喜ばしい体験がしたい」

このような考えは、いつも満たされない心から起こります。
自分の心を満たしてくれるものを求め、望み、それを得るためにあらゆることをしま
す。
今の自分が不遇で不幸だから、将来はもっと違った幸福や満足を得たい、
自分が失った分の幸福や喜びを、別の形で得えなけはれならない。

なぜ私たちはいつも未来に代償を求め、自分の心を満たそうとするのでしょうか。
今のままでは不十分であると感じるのはなぜでしょうか。
答えは一つです。
私たちは自分の生活の虚しさ、自分自身の空虚さが嫌なのです。
何もない生活、空白感の多い生活、倦怠と退屈。
空っぽの何もない空白の心ではいてもたってもいられない。
だから心を満たしてくれるものを求め、それを得ようとする。

現実の虚しさから逃げ、一時的に心を満たす。
しかしそれは一時的なものでしかないので、また虚しさに襲われます。
この繰り返しの中に不安や悲しみ、絶望が恐怖が潜んでいます。
心を満たしていたものが失われると、喪失感や挫折感も生まれてきます。
このようなことを繰り返しても、心は決して自由になれません。

この心の鎖を解き放つにはどうすればいいでしょうか?
それは、もはや何も求めず、未来にも何一つ代償を求めない心を持つことです。
「もっと欲しい」「心を満たしたい」なんて思わずに、あるがままの現実を生きるこ
とです。
虚しさから逃げず、現実の生活から逃げず、苦しみから逃げず、
そのあるがままの現実を受け入れて生きることです。

現実から逃げるところから、心の鎖が生まれます。
虚しさを超えるには、虚しさに留まる必要があります。
逃げるだけでは、虚しさに打ち勝つことはできません。
苦しくても、辛くても、逃げることなく自分の人生と向き合い、そこに留まること
で、
それを乗り越えられる強い精神を持つことが可能になります。
決して自分をごまかしてはいけません。
「あるがままに留まる」ということが、何よりも大切なことなのです。


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