ヘンリー・ソローの叡智 NO.4

2013年4月30日

実在が架空のものとされ、
虚偽と妄想が確固たる真理としてもてはやされている。
もし人間が実在の世界だけをしっかりと観察し、迷妄に陥らないようにすれば、
人生はおとぎ話やアラビアンナイトのようになるだろう。
必然的なもの、存在する権利があるものだけを尊重するなら、
詩と音楽が通りに鳴り響くだろう。

急がず賢明に生きてゆけば、
偉大な、価値あるものだけが永遠の絶対的な存在であり、
卑小な不安や快楽は、実在の影にすぎないことを我々は知るだろう。

実在するものは常に心楽しく、崇高である。
だが、人々は目を閉じて眠りこけ、甘んじて外見に惑わされているために、
あらゆるところで型にはまった因襲的な日常生活をうち建て、固定させている。
そうした生活は、やはり純然たる幻想を基盤として築かれているのだ。

 

 


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