個としての「自己」を超える

2013年4月22日

私たちは「自分」というものを捨てなければ、

決して神を見出すことはできないでしょう。

なぜなら、神とは存在の全てであり、世界そのものであり、

そこには「私」や「あなた」という個は存在しないからです。

 

もし「私」や「あなた」という分離があるならば、

神は神でなくなることになるでしょう。

神は全てであり、全てである神がそこにあるということは、

個としての「私」や「あなた」という意識は偽りだということです。

 

私たちは「自分」というものが存在すると、当たり前のように思っています。

私たちは誰もが「自分」というものを保持し、それを所有していると思っています。

しかし命は、生は、私のものでもあなたのものでもありません。

生は生であり、それはそれ自体として生きているものです。

そこに「私」や「あなた」はいないのです。

 

それ自体として、一つなるものとして生きているもの―

それは神の命であり、一つなる神の存在です。

宇宙の一切は神であり、神なしには宇宙は一瞬たりとも存在できません。

人間の存在もまた、この力によってのみ存在しています。

 

真に神というものを見出し、それと出会うためには、

「自分」という虚妄でしかないものを捨て去らなければなりません。

「自分」という個、そのエゴがある限り、決して神は見出せないでしょう。

 

「自分」というものは、最初から存在しなかったのだという悟りが、

やがてその人を命の真理へと運んでいきます。

「自分」を完全に捨て去った人こそ、名もなき神に出会います。


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