アメリカ・インディアンの叡智 NO.6

2013年3月13日

インディアンの文化には、いわゆる「教育」と呼ばれるものはなかった。

学校もなければ教科書もなかった。

我々はただ一つのものからしか学ばなかった。

我々の目の前には宇宙の「創造」というものがあった。

この「創造」という聖なる事象から我々は学んできた。

 

だから我々の教育、宗教というものは、いつも万物の法に根づいている。

それは宇宙、生命の原初からの法であって、

文明社会に住む人間が作り上げた法ではない。

我々は創造という宇宙の厳粛な現実を見つめ、それと共に生きながら、

秘められた叡智や生の真実を学んできたのである。

 

創造そのものが、我々の師であった。

本当に大切なことの全ては、宇宙が教えてくれた。

この考え方、宇宙の法と共に生きることが薄れた現代社会では、

真の賢者が生まれることもなくなってしまった。

 

宇宙の創造の神秘から学び、そしてそれと共に生き続けるという考え方は、

我々インディアンにとっては当たり前のことだったのだ。

現代文明は自然との繋がりが薄れ、創造そのものからも離れている。

物やテクノロジーだけが進歩しても、逆に精神の豊かさは廃れている。

科学の過剰な進歩はむしろ人間に危機をもたらしている。

 

人間は生命の根源に立ち帰らなければならない。

さもなければ人間の精神も、社会そのものも病と化してしまう。

我々は根本から教育というものを、学びというものを考え直さなければならない。

生命そして万物と繋がってこそ、真の人間として生きることができるのである。


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