彼岸の生
2011年9月7日
生きながら彼岸の域にある精神―
それは全く異なる生の次元に生きる精神です。
その精神とは、完全に死を受け入れて、死の次元で生きる精神です。
死を受け入れた精神は、もはやこの世の何ものにも執着しません。
この世的なものは、どんなものであっても、
全ては失われるものであるということを悟っているからです。
そのような精神は、何も求めず、何も持たず、それゆえ何も失いません。
それは所有と執着の心の鎖から解き放された自由な精神です。
この世的なものは一切が虚しく、やがて失われるものであるからこそ、
この世的な事物には決して執着しないのです。
このような生き方は、生きながら死を享受する生き方です。
死の次元、彼岸の域において生きる生き方です。
一瞬一瞬死を享受しながら生きるというのは、まったく異次元の生です。
そしてそれは、完全に自由な精神でもあります。
このように死の側に生きる精神は、
この世にいながらまったく別次元を生きています。
それは過去も未来も持たず、時間を超越しています。
自己への執着、またはあらゆる願望や理想からも離れ、
ただ一瞬一瞬を刻々に生きるだけです。
それは一瞬一瞬全てを捨てつつある生であり、
それゆえに一瞬一瞬の全てを新たに受け取る生き方です。
そこに古いものは何もなく、生の未知なる新しさしかありません。
そのような精神は、生命の奇跡を刻々と感じるのであり、
異次元の内で、未知なる神秘の内で生きる類まれな精神です。
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