アメリカ・インディアンの叡智 NO.3

2013年3月5日

西洋人たちの社会では、「なぜ」と尋ねることが重要だと言われる。

しかしインディアンの文化では「なぜ」と尋ねることなどしない。

インディアンは昔から、「なぜ」と尋ねるのではなく、

自分で目の前のものを見つめ、耳を傾け、

ただ気づくようにしなさいと子供のころから言われてきた。

 

というのもあるゆる出来事は目の前にあり、

世界の創造はこの一瞬一瞬に起こり続けているのだから、

その創造の世界を見つめることで我々は多くのことを学んできたのである。

じっと見つめ、聴き、感じることで英知は育まれる。

 

宗教心、精神性というものはそのようにして生まれるものであり、

そのような文化で育った人間たちが、

一人一人独自の宗教を持っているということはごく自然なことなのだ。

一族の人間はたった独りで静かに見つめ、聴き、感じ、気づくことで、

自分だけの生命の発見、神との出会いを作り上げてきた。

 

「なぜ」と問うことは、我々の一族からすれば凡庸なことであり、

何も学んでいないということと同じである。

何も分からず、学んでいないから「なぜ」と尋ねてしまう。

だからそれは智慧のない言動だと思われるのだ。

 

たった独り、沈黙の中で世界を見つめ、聴いていれば、

答えは向こうからおのずとやってくる。

そのためにも真剣な心を持ち、生を厳粛に生きる姿勢が必要になる。

それこそ宗教的な心を育むための基盤なのである。


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