言葉と沈黙
2013年2月19日
現代社会はあまりにも言葉が重要視されすぎていると言えます。
人の心の中は言葉でいっぱいで、絶えずおしゃべりをしており、
社会は新聞やインターネットなどで言葉による情報が溢れています。
しかし、言葉は決して本質的なものではありません。
生の本質、生命の本質は「沈黙」です。
この宇宙の誕生と創造は、沈黙のうちにあります。
言葉は人間があとから作り上げたもので、
もともと宇宙にあったのは、測り知れない無限の沈黙なのです。
この沈黙こそ宇宙の基底であり、本来の生命の声です。
沈黙を「聴く」ということは、宇宙の本当の声に耳を傾けるということです。
言葉は一時的なもの、やがて消え去るものです。
しかし沈黙は永遠です。
沈黙の中に生命はあり、生命は沈黙のうちにあります。
心が言葉で溢れているならば沈黙を聴くことはできません。
宇宙を満たす沈黙の中にあらゆる生命の声が宿っています。
この沈黙は原初からある宇宙の声です。
宇宙と生命の神聖さは、沈黙と共にあります。
無駄なおしゃべりに生を費やしたり、
心の中で言葉ばかりを溢れさせている人は、
決して宇宙の聖なる沈黙を感じることはないでしょう。
耳を傾けるということは、音に注意を払うと同時に、
その音の基となっている沈黙にも注意を払うということです。
無言の心、沈黙の心の中で生命と宇宙の声に耳を澄ませること―
生の真理とリアリティは、言葉ではなく沈黙のうちにあります。
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