子供のうちに学ぶべきこと
2012年12月25日
子供の教育の中で重要な位置を持つものとは、
まずなによりも心の静謐、静かなる精神を育むことです。
心の欲望、怒り、悲しみ、虚しさ、混乱─
こうしたものを子供のころから理解するように努め、
何ものにも乱されない精神的な静けさを持つことが大切です。
さもなければ、大人になってからも同じような心の問題にとらわれてしまいます。
子供のうちから静かに精神を育んでいれば、
大人になってから困難や精神的な危機に直面しても、
それを乗り越えられる心の力や基盤がしっかりと備わっていますから、
自然と乗り越えていくことができます。
子供のうちに自らの欲望や、自分の心を苦しめるものを理解し、
静かで豊かな、そして注意深い精神の基盤を持つことができれば、
その子供は決して凡庸な大人になることはないでしょう。
そのような子供は、感受性が豊かな大人に、知性の深い大人に、
あらゆる苦しみを超えていくことができる大人に成長することでしょう。
今の教育を見ていると、単に知識を詰め込むだけで、
精神そのものの教育はおろそかにされているように思えます。
専門知識を学ぶだけが教育ではありません。
会社に入るため、進学するために勉強することだけが学業ではありません。
そのような教育だけでは子供は真の大人に(そして人間に)成熟することはありません。
生きるということは、
単に良い学校に入ったり、良い職に就くためだけのものではありません。
生きるということは、私たちが考えている以上に意義深いものです。
その意義深さの発見と、人間そのものが持つ生の創造性というものを、
子供たちがもてるようにすることは教育にとって極めて重要なことです。
子供たちが自ら自分自身の心の問題に向き合い、
それを自分で乗り越えて行けるような精神的基盤を作ること、
子供たちが自ら感受性を開き、命や宇宙に強い関心を持てるようにすること。
静かな沈黙の精神で、注意深く人生と向き合うことができるような、
そういう精神性を開花させることが真の教育と言えます。
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