宗教の第一歩目

2012年12月19日

 

真理の探究は、彼岸にあるものを追い求めることではなく、

此岸にある生そのものを理解することにあります。

 

此岸にあるものとは、私たちのあるがままの生です。

それは私たちの心の混乱、苦しみ、葛藤、闘い─です。

つまり人間の持つ心の問題、苦悩の現実です。

その人間の問題を理解することこそが宗教の第一歩目です。

 

なぜなら、心が自由でないかぎり、

そしてまた心が本当に平安でないかぎり、

人は幻想や虚偽に陥り、真理とは違う人生を歩むことになるからです。

 

私たちはあるがままの「現実」から始めなければなりません。

それを無視して非現実的な彼岸のものを求めても、

それはただの欲望と逃避でしかないでしょう。

私たちは心が自由でないから彼岸にあるものを渇望します。

その渇望は、心の恐怖に基づいています。

 

いたずらに彼岸にあるものを求めても幻想に陥るだけです。

真理は彼岸にはありません。

真理はあるがままの現実の生の中にあります。

そしてそれは此岸にある生の問題を理解することです。

 

渇望するのではなく、あるがままの生から学び、理解していくこと。

此岸にある人間の心の問題を深く理解し、超えていくこと。

それが宗教の第一歩目です。


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