仕事と生活への愛について

2012年12月4日

 

この世の中には様々な仕事があります。

作家、スポーツ選手、歌手、政治家、芸術家─

しかし、仕事を愛する気持ちが本当にあるならば、

私たちは決して名声を求めたりはしないでしょう。

 

名声のために仕事をしてている人は、本当の自分の仕事を愛しているでしょうか?

自分のしていることを愛していない人だけが名声を求めるのです。

そこにあるのは仕事への愛ではなく、自分への愛です。

有名になりたい、成功したい、自分の幸せを得たいという心、

ただ自分というものを拡大しようとするだけの欲望です。

 

もし本当に自分の仕事を愛しているならば、

その人は自分が有名であるかどうかには関心を持たないでしょう。

その人はただ自分の仕事を愛しているからです。

愛していることをするのに、名声や成功はまったく関係ありません。

無名のままで、その人は黙々と仕事を続けるでしょう。

有名になろうとすることは愚かなことであり、無意味です。

 

社会では、よく「成功するための法則」とか、

「自分の実現できるための秘訣」といったことがいろいろと言われます。

しかし、そのようなものは仕事への愛ではなくただの自己愛です。

 

もし人が本当に、ただ純粋に自分の仕事を愛していて、

その日々の生き方に充実感を感じているならば、

自分の成功や名声なんてまったく関心を持たないはずです。

そこにあるのは愛であり、生きるということの純粋さです。

そこに美しさがあり、仕事への、人生への本当の愛があります。

なぜなら、そのとき人は生きることを愛しているからです。

生きることを愛していない人だけが、成功を追い求めるのです。

 

何も求めない、無名の中での人生への愛。

有名になろうとしたり、成功を追い求めるのではなく、

ただ日々生きることを、自分のなすべきことを愛しているならば、

人はそれだけで自由であり、豊かであり、幸せに溢れ、

悲しみや怖れを抱くことなく生きていくことができます。


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