思考を超えた「空(くう)」

2012年10月30日

 

 

心の苦しみ、不安、恐怖、悲しみ─

 

このような人間の絶えざる混乱は常に頭脳と共にあります。

 

心の動きが頭脳の動き(思考の動き)となって現れます。

 

 

私たちは頭で考えることで混乱に陥っています。

 

そして頭で考えるから、答えのない迷路にはまりこんでいます。

 

人間の心を救済するものとして宗教的な教えというものがありますが、

 

神を信じたり来世を期待したりするというのも頭の中の妄想でしかないでしょう。

 

 

頭脳が人間の心を自由にすることはありません。

 

なぜなら、頭脳こそ心にとっての牢獄だからです。

 

恐怖や不安は、頭で考えることから起こります。

 

 

「考える」ことから恐怖も不安も生まれるのです。

 

悲しみも心の苦痛も、全ては頭脳の動きから、思考から生じます。

 

心はそれ自体無力です。心は頭脳を通して自らを発散するのです。

 

 

人間の混乱の根源は、頭脳─思考─にほかなりません。

 

心が頭脳に依存せず、執着せず、思考そのものから解放されること。

 

それこそ心が自由であることです。

 

つまり、心が頭脳の働き(思考の働き)に依存せず、

 

常に空白の自由を持っているということです。

 

 

心が頭脳に囚われないとき、妄想も未来への憂慮もありません。

 

そうなれば不安も恐怖もなくなります。

 

なぜなら、そうした全ては「思考の投影」によって起こるからです。

 

この思考の牢獄を見極め、抜け出さないかぎり心の混乱は続きます。

 

 

この真理を見抜くこと。

 

心が思考を超えるとき、人間は自由になります。

 

なぜならそこには、物質を超えた「空なる自由」があるからです。


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