過去を超える生きる

2012年7月25日

過去を超える生きる

人間の心の真の自由は、過去を超えるところにあります。

過去に固執しているかぎり、人間に自由はありません。

人間の心の自由が失われるということ、

それは過去の記憶に縛られていることから起こります。

「自由」は過去の中には決してありません。

過去の思い出は人間に自由をもたらさないのです。

精神が過去に囚われ、過去にすがっているかぎり真の自由はありません。

なぜなら、その過去こそ恐怖や悲しみを作る原因だからです。

過去の記憶、そこには「自分」のすべてが詰まっています。

自分の地位、名誉、幸せ、快楽、喜び、目的、達成、人間関係─

だからこそ、人は過去にすがり、それを失うことを怖れるのです。

過去とは、「自分」なのです。

過去の自分に執着することから、恐怖が生まれます。

恐怖があるところには、自由はありません。

幾千の昨日に対して死ぬこと。

それがどんな喜ばしい思い出であろうとも、

またどんなに幸せなものであろうとも、

その過去に対しての執着を断ち切ること。

この過去からの決別が精神を自由にします。

人間の精神は、常に過去の何かに固執し、それを守り通そうとします。

知識、経験、快楽、享楽、満足、人気、名誉、財産─

この執着的で自己防衛的な精神の活動性を理解し、

完全に断ち切ることによってのみ、人は真の自由を見出します。

自由は、過去への執着と反復を超えた彼方にあります。


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