自己究明

2012年6月15日

自己究明

心が苦しみの中にあるときにこそ、
人はしっかりと自己究明に努めるべきです。
なぜ自分は苦しんでいるのか、なぜ悲しみに落ち込んでいるのか。
それを理解するためには「自己究明」が必要であり、
それなしには心の苦しみが終わることはないでしょう。

では、どうすることが「自己究明」なのでしょうか。
自己究明とは、自分の心の動きに聴き入ることです。
今、心がどう動き、そして何に苦しんでいるのか。
それを理解するには心そのものが語ることに聴き入らなければなりません。

聴き入るというのは、反省したり分析したりすることではありません。
それはただ自己究明のために、心に聴き入るということです。
苦しみからいかに逃げるか、悲しみからいかに目を背けるかということではなく、
ただ自己究明のための「黙聴」です。

この自己究明こそ、大いなる理解と洞察をもたらすもので、
そこから人間としての美、英知、成熟が生まれてきます。
自己究明がなければ、同じ苦しみや悲しみは何度となく続いていくでしょうし、
苦しみの元となっている自己中心的な行動も理解されることはないでしょう。

ただじっと心に聴き入ること。
ただそこに留まること。
それが人間に自由と理解をもたらす自己究明の光です。


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