傷つかないということ
2012年6月6日
人間は心の傷を忘れずに持ち続けてしまう存在です。
心の傷があると、行為が歪められ、自由が失われます。
はたして人間は心の傷を持つことなく、自由であることができるでしょうか。
傷つくことがないということ。
それは無垢であるということです。
例えば一輪の花は心の傷というものを持ちません。
花は完全に無垢であるがゆえに傷つかないのです。
人間も花のように無垢であることができるでしょうか。
今の社会は否応なしに私たちを傷つけようとします。
人間社会には常に闘争と競争があり、
互いに攻撃しあい、精神的な暴力がやむことはありません。
この混乱した、野蛮な社会の中で、
私たちは心の傷を抱えることなく生きることができるでしょうか。
傷が生まれるのは「自己イメージ」にとらわれているからです。
「自分」というイメージが心の傷となるのであり、傷の原因はセルフイメージなのです。
いつも傷つくのは自分というイメージであり、
もしいかなる自己イメージも持つことがないならば、
人は傷つく何ものも持つことはありません。
花や動物たちは決して「自己イメージ」というものを持ちません。
これが無垢であるということであり、傷つかないということです。
この社会のただなかに生きながら、
まったく自己イメージを抱えることなく生活ができるならば、
つまり花のように無垢そのものとなって生きることができるならば、
人は傷つくことなく自由な心で生を謳歌できるでしょう。
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