心の苦しみの牢獄
2012年5月29日
「自分─私」への執着、エゴがあるところには必ず自己中心性があります。
大抵私たちは常に自分中心に物事を考え、欲し、行動し、利己的に生きています。
それが自己執着とエゴの本質であり、これこそ様々な問題を引き起こす根です。
自分の満足、自分の喜び、自分の快楽、自分のステータス、自分の財産、
自分の将来、自分の未来、自分の達成、自分の成就、自分の幸せ、自分の理想、
自分の社会的な立場、地位、評判、世間と周囲からどう思われているか、
自分の存在価値、存在意義、自分の居場所のなさ、孤独、寂しさ、悲しみ─そのすべて。
私たちはいつも「自分」を追い求め、「自分」にしがみつき、
「自分」を成り立たせ、「自分」を守り抜こうと闘っています。
しかし、この自己への依存、執着、防衛があるところには、
必ず心の闘争と混乱、苦しみがあります。
それは恐怖、不安、葛藤、悲しみ、怒り、憎しみ、絶望─といった形で現れます。
「自分」が失われること、「自分」が損なわれることが心の苦痛なのです。
自分の喜び、満足、幸福が失われること、
自分の達成や成功が実現しないこと、成就しないこと、
自分の将来、理想、希望が崩れ去ること─これら一切に対する恐怖、不安、葛藤、焦り。
そしてこれらが実際に失われたときの悲しみ、嘆き、怒り、絶望、喪失感。
全ては「自分」を中心にした意識から生じる苦しみの感情であり、心の苦闘です。
ほかにも、虚しさ、寂しさ、孤独感、倦怠感、憂鬱など、
こうした負の感情の全ては自分のエゴ、自己執着から生じるものです。
自己への執着によって私たちは負の感情の鎖に繋がれ、心の苦しみの牢獄に入ってしまい、
その絶えざる痛みと混乱と闘争の中で生き続けることになってしまうのです。
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