生への愛、死への愛

2012年5月23日

生を、生きることを愛するとは、あるがままの現実を愛することです。
自分の願望や理想、未来、自己実現といった不確かで非現実的なものではなく、
嘘偽りのない真の現実を愛するということです。
その現実こそ、生であり、命であり、実在なのです。
その現実への愛がなければ、私たちは決して真理の内にはいないでしょう。

生そのものを、生きることそのものを愛するということ―
それは厳然たる現実を愛すること、真に実在するものを愛すること、
生命の活動の全て、宇宙の活動の全てを受け入れ愛することです。
生きること、存在すること、死んでいくこと―その中にある全てに対する愛です。
これら一切、刻一刻に起こりつつある一切が「命の活動」です。

よって生を愛するということは、死をも愛することです。
死を愛することは、命を愛すること、生命の摂理を受け入れることです。
そしてそれは、生の真理を受け入れることです。

この真理、命の活動を受け入れることは、同時に死という現実も受け入れることです。
なぜなら、生と死は同じ一つの命、宇宙の活動だからです。
生を愛し、生を受け入れることは、死を愛し、死を受け入れることです。

私たちは死という絶対的な現実を受け入れることができるでしょうか。
その真の現実、真のリアリティと共に、生命の活動と共に生きることができるでしょうか。
できないならば、その人生に真理はないのです。


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