苦しみとエゴの関係

2012年5月22日

苦しみはエゴであり、エゴは苦しみです。
エゴ(自我─私)が終わることは、苦しみが終わることです。
苦しみが終わることは、エゴ(自我─私)が終わることです。
それは、私、自分、自己、我─その意識、心の執着の完全な終焉です。

エゴという苦しみの元凶、そのことを教えてくれるのはまさに「苦しみ」そのものです。
苦しみが、エゴというものの本性と構造を明らかにしてくれます。
苦しみが終わるためにはエゴによる苦しみの経験が必要であり、
その苦しみの経験そのものが「エゴ」という最も大きな人間の障害を終わらせるのです。

人間は、自らのエゴ(自己執着)の苦しみによって「苦しみ」を学び、
苦しみを学ぶことによって苦しみそのものを超えます。

人間が苦しみから悟るものは、精神の真の自由です。
そして精神の真の自由とは、「エゴ─私」の完全な消滅です。
エゴ、私、我、自分─という個として自己意識とその小さな境界を壊し、
まったく新しい意識と生の次元をもたらすこと─それが「苦しみ」の働きです。
「苦しみ」が人間を自己から解放し、自己を終わらせ、自己を超越させます。

エゴ、私、自分、我─この自己意識を超越させることが苦しみの役目、その意味です。
自己を終わらせること、自己を超えた次元に導くこと。それが苦しみの意義です。
それが現実に起こるのは「苦しみ」の経験を通して人間がエゴを放棄するときだけです。
エゴ、その障害、自由のなさを終わらせ、人間を真に目覚めさせ、飛翔させ、
自己を超えた新たな生の次元を開くもの─それが「苦しみ」なのです。


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