苦しみが人間を変える

2012年5月15日

苦しみほど、人間を成長させるものはありません。
そしてまた、苦しみほど人間を生の─生きることの─真実へと運んでくれるものもありません。

人間の苦しむ意味は、苦しみによって人間が「変わる」ことにあります。
苦しみは人間を変えます。むしろ苦しみというものは、人間を変えるためにあります。

もちろん心の苦しみというものは、人によってそれぞれ大きさや経験に違いがあります。
人によっては恐ろしいほどの苦悩や心の痛みを背負ってしまうこともあれば、
その苦しみによって心が押しつぶされて立ち上がれなくなるような場合もあります。
しかし、その人が苦しむということ、苦しみを抱えるということは、
それだけその人に成長と変化の可能性があるということです。

苦しみが大きければ大きいほど、それだけ人間精神は耕され、新しい理解と知恵が得られ、
そのことによって人間としての変容の度合いも大きくなります。
極度に重い苦しみ、精神的苦悩というものは、その大きな打撃ゆえに、
人間の人生と生き方そのものを─その生の価値観を─根底から変えます。

「苦しみ」が人間に新しい生とその生の道を指し示し、与えるのであり、
言わば「苦しみ」によって人は新しい生の次元へと運ばれるのです。
その人に与えられる苦しみは、その人自身が経験しなければならないものであり、
それはその人が歩まなければならない道、超えなければならない地平です。


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