苦しみから生まれる悟り

2012年5月9日

苦しみの経験がなければ知恵や洞察は生まれません。
言葉や知識ではなく、自分の全身全霊で苦しみを味わうことで人は真に学び、理解します。
ただ辛く、痛く、苦々しい重い苦しみ、
その苦しみが人の導き手となって私たちを運んでいきます。

苦しみを超え、その苦しみが持つ真理を見るには、自分自身で「苦しむこと」が必要であり、
その体験の過程で苦しみそのものが私たちの知恵の種となるのです。
なぜ苦しむのか、苦しみの原因は何か、苦しみが終わるとはどういうことか─
その理解と学び、光明を与えるのが、苦しみの体験そのものから生まれる「知恵」であり、
この知恵が人を成熟させ、真理を学ばせ、やがて苦しみから完全に解放します。

「私」への執着、そのエゴが一切の苦しみの根であるということを、
自らの苦しみの体験から学び、気づき、教えられれば、
人は自然と自己執着の心を手放していくようになるでしょう。
というのも、自己執着─エゴ─があるかぎり苦しみは絶対に終わらないからです。

心は自ら痛い思いをすればするほど、その先の痛みのない次元を悟ります。
全ては「苦しみ」という苦々しい現実が教えてくれます。

人間に真の自由を教えるのは、ほかならぬ苦しみです。
心の苦しみ、痛みが、人間自身のエゴと執着を明らかにするのです。
いわば苦しみと心の痛みは、人間の執着を断ち切るためにあり、
その執着を断ち切らなければ苦しみは決して終わらないということを悟らせるのです。


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