「自分」を失うことへの恐れ
2012年4月2日
私たちは、自分というものに執着して生きています。
「自分」というものが私たち人間の生の基盤とも言えます。
自分の出世、自分の未来、自分の所有、自分の人間関係、
自分の仕事、自分の財産、自分の名誉、自分の人気、
自分の知識、自分の幸せ、自分の地位、自分の存在理由etc
これら全てとさらにもっと多いのが「自分」であり、
そしてそのような自分に執着しているのが私たち自身です。
自分というものを保持し、守り、強化すること―
それが多くの人々の人生ではないでしょうか。
しかしながら、この自己執着があるかぎり、
私たちは恐怖のとりこになってしまうでしょう。
なぜなら、恐怖とは「自己を失うこと」に対する怯え、不安だからです。
恐怖の根は「自分」というもの失うことにあります。
人は「自分」を失うことを恐れ、それを手放そうとしません。
しかし、手放さないなら手放さないだけ恐怖は延々と続きます。
「自分を失いたくない」という心の動きがまさに「恐怖」そのものだからです。
自己への執着があるかぎり、私たちは恐怖の鎖に縛られたままです。
恐怖に縛られているならば、決して自由はありません。
自由のない人生は混乱や葛藤、苦しみや悲惨に満ちています。
完全に自由であるには、「自己を捨てる」ことが必要になります。
自分に執着せず、自分という中心を手放せるかどうかです。
「自分」こそが恐怖の根です。
この恐怖の根を取り除くとは、自己(エゴ)そのものを捨て去るということです。
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