無所有の精神性

2011年12月29日

無所有の精神ほど晴れやかなものはありません。
ここで言う所有とは、人が持つ心の所有のことです。

人は何かしら自分の支えとなる心の所有を持っているものです。
それは何かの経験であったり、快楽や幸福感であったりするかもしれません。
人はそれらの心の所有に依存して生きており、
それゆえむしろそれに心が縛られてしまっています。

何かを所有する精神は、決して自由ではありません。
なぜなら、そのような心の所有は恐怖を作るからです。
心の所有を喪失してしまうのではないかという恐怖です。

どんなものであれ、
心の所有は恐怖を生むという真理を見ることができるでしょうか?
この真理を見ることができるなら、
「自由」とは何かということも理解できるでしょう。

自由とは、何も持たない生、
一切の心の所有を捨て切った生です。
この無所有の精神ほど、真に自由なものはありません。
なぜならこの無所有の精神は、
何も求めず、何も持たず、何も失わず、心は完全に自由だからです。

このような完全なる心の無所有の生の中には、
いかなる混乱も思い煩いもありません。
迷いも悩みもなく、心は透明に澄み切っています。

人間において無所有の精神ほど美しいものはありません。
それは自分に執着することのない野の花のような生です。
このような精神性こそ、私たちに真の自由をもたらします。


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