問題を根づかせないこと

2015年6月3日

試験管

人はときに動揺したり、心配したり、
またはときにおびえたり、怖れや不安が起こったりします。
こうしたことは、確かに人生の中で起こります。
人生には曇りや雨の日、ときには雪の日があり、
昨日は晴れて人生は明るく輝いていたのに、
今日は雨が降っていて、暗く、寒い。
こうした人生の変化は避けがたいものです。

しかし、大切なことは、
こうした変化―出来事―に十分に気づくようにし、
起こった問題を根づかせないようにすることです。
何か問題が起こったとき、人の心はすぐにそれに対して、
比較したり、正当化したり、非難したり、気にしすぎたり、
あれこれ考えをめぐらしてしまいます。
そうしてその問題―問題に対する反応―を根づかせてしまいます。

問題と、それに対する心の反応を根づかせないようにすること、
生を流れるまま去らせることが重要です。
それは問題から逃避するということではなく、
心が自由であるために問題を延々と繰り返さないということです。
問題が根づけば、それだけ心はそれにとらわれ、縛られ、
それによって心身ともに苦しみや不調和、葛藤が生じてしまいます。

問題を根づかせないようにすること。
問題は、起こったらそのつど片づけて終わらせてしまい、
速やかにそれらを通り抜けること。
あたかも、なめらかなバターを通り抜けるかのように。

問題は、起こるつどそれらをお終いにしてしまうこと。
問題は起こらざるをえませんが、
それらを根づかせることなく、ただちにお終いにしてしまえば、
心はその問題に縛られることはなく、
いつでも新鮮で、重荷を背負わない心でいることができるはずです。
問題を必要以上に気にして、長引かせ、根づかせ、
それによって自らを苦しめる必要はありません。

問題から自由である心、問題を根づかせない心―
そうした心持ちで生きることが、自由であることの鍵です。
毎日、新鮮で、若々しい、無垢な心でいられるのは、
そのような、問題を根づかせることのない心、
何かに縛られたり、重荷を背負ったりしない、しなやかな心ではないでしょうか。
このしなやかさこそ、人生において必要なものだと思います。


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