タオイズムの智恵 NO.8

2015年3月30日

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弟子はたずねた。
「生まれつきのままで欠けることがないとは、一体どういうことでしょうか?」

師は答えた。
「死と生、存続と滅亡、貧乏と金持、賢さと愚かさ、恥辱と名誉、飢えと渇き、寒さ
と暑さ─
こうして日々の事象は絶えず変化するものであり、運命の流転と言えるものだ。
昼となく夜となく現れては消え、目の前にあるものは移ろいゆく。
それでいて、なぜそのようなことが起こるのかは、人間の智恵では知ることはできな
い。

よって、このような千変万化をいちいち気に留めていてはきりがない。
それを心に侵入させて、思い煩うのは無意味なことだ。
むしろそれらの変化を調和した楽しいものと考え、
どんな場合でも満足して喜びに満たされ、
昼も夜も常に万物の流れと共に生き、心を止めず、
春のような穏やかさで生きていく。

そのような心こそ、四季そのものとして、
万物そのものとして生きる心構えといえる。
万物の変化と一体となって生きるから、そこには思い煩いはない。
生まれつきのままで欠けるところがないとは、まさにこういうことなのだ。

このような境地にある人物は、常に心は平静である。
平静というのは、湖の水のように静止しきった状態だ。
水の力を表に出さず、内で深くたたえて、ただそのことで豊かに満たされている。
真の徳というものは、完全な平静な状態によってあるものなのだ。
その心の徳は、決して表には出ないが、その内側は真理に満ち溢れている。
内に徳を深くたたえた者には、自然と万物の叡智が慕い集まってくる。
その万物の叡智と調和は、その者から離れ去ることは決してない」。


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