タオイズムの智恵 NO.7
2015年3月27日
人間の人生というものには限りがある。
しかし人間の心の動きには限りがない。
限りある人生なのに、限りなき心の欲でもって多くを求めるのは、
自らの身を危うくし、破滅を呼ぶばかりだ。
善い行いに努めれば名誉に近づく。
悪い行いに努めれば刑罰に近づく。
名誉は欲を生み、欲はさらに名誉に固執する。
刑罰は恐怖を生み、恐怖はさらに悪を助長させる。
結局、名誉も刑罰も身を滅ぼすもとになる。
よって善悪にとらわれない「中(ちゅう)」の立場であることで、
自身の心の安全を守ることができる。
中(ちゅう)の立場とは、善悪を超えた無為自然の立場である。
心は善にも悪にも流されず、純朴な光の中で活動する。
ことさら善いことにばかりに励むこともなければ、悪に身を染めることもない。
あたかも大地に咲く無害な一輪の花のようである。
このような心のあり方、人生によってこそ、
生涯を無事に過ごすことができ、自身の肉体も家族もしっかりと養い、
天寿をまっとうすることができる。
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