タオイズムの言葉 NO.3
2014年10月6日
いつも心を疲れさせ、
同じことを何度も繰り返しているだけだというのに、
それが結局一つの同じことであるということに気づきもしない。
そのことを「朝三(ちょうさん)」と呼ぶ。
では朝三とは何か。
こういうことである。
猿使いの親方がトチの実を分け与えようと、
「朝は三つ、夕方は四つにしよう」と言った。
すると猿たちは怒って腹を立てたので、
「では朝は四つ、夕方は三つにしよう」と言った。
猿たちは大いに喜んだ。
言葉が違うだけで実質は何も変わらないというのに、
喜んだり怒ったりして感情に動かされる。
自分の欲や浅はかな分別にとらわれているからである。
このような愚かさを、朝三と呼ぶ。
聖人は善悪や是非の判断をうまく調和させ、
小賢しい人為や卑小な欲望にとらわれることなく、
差別対立のない自然のままの境地を生き、そこに安住する。
この境地を「両行」と呼ぶ。
両行とは、差別対立しているものを同じものとして認め、
善し悪しの判断を差し挟むことなく、
物事がいつもスムーズに流れることを言う。
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