本当の「幸せ」
2014年8月11日
幸せとは、探し求めたり、追いかけて得るものではありません。
本当の幸せというものは、知らず知らずに自然にやってくるものであって、
欲によって求めたりするようなものではありません。
もし欲によって追い求められるならば、
それは幸せではなく、快楽の追求、自己満足の追求になってしまいます。
私たちの多くは「自分は幸せだ」という満足感を欲していて、
その継続的な幸福感、充足感を得たいのです。
しかし、幸せを意識した途端、幸せは不幸せになるのです。
なぜなら、「自分は幸せだ」と思ってそれを保持すると、
今度はその幸せを失うことを恐れるからです。
幸せを追い求め、獲得する―その裏には、それを失うことへの恐怖があります。
幸せを追求するならば、幸せは消えてしまいます。
幸せは求められるものではなく、気づいたら向こうからやってくるものです。
それを私たちは追い求めることはできません。
本当の幸せは、ふいにごく自然にその時にやってきて、去っていきます。
しかし、その幸せをずっと手にしていようとすれば、不幸せになります。
幸せを獲得し、保持することは、失うことへの恐怖を生みます。
求めることも得られることもない幸せ、
自分のものとして所有することはできない幸せ、
ふいに起こって去っていく幸せ、
それは自分の欲や執着、快楽や自己満足の追求ではないものです。
そこには決して不安や恐れ、悲しみや葛藤がないものです。
それこそ本当の幸せです。
「自分は幸せだ」と感じて、それをいつまでも保持しようせず、
手放し、忘れて、心を空っぽに、純真にしておくことで、
幸せは知らず知らずにごく自然と向こうからやってくるでしょう。
しかし、もし「幸せが来てほしい」と期待するなら、それは来ないでしょう。
幸せは期待され、望まれ、求められるものではなく、
窓を開けていればふいに入ってくる風のように、
そっと私たちのもとへ、ごく自然にやってくるものなのです。
風は、人の手によって掴むことはできません。
それはやってきて、去っていきます。
だからこそ、風はいつも新しいのです。
本当の幸せも、これと同じです。
手によって掴むものが幸せなのではなく、
常に新しい風のようにふいにやってくるもの―
そして去っていき、掴むことができないもの。
だからこそ、いつも美しく、新鮮で、豊かであるもの。
それが本当の幸せです。
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