死を恐れない心
2014年7月4日
野に咲いている花は、死を恐れていません。
何も恐れることなく、咲き、散っていきます。
鳥たちも、死を恐れていません。
鳥たちは、虫を捕まえたり、巣を作ったり、ヒナを育てたりして、
ただ生きることに精一杯です。
自分が死んでいくということには、まったく関心がありません。
死が来たら来たで、何の恐れもなく死んでいきます。
死というものに関心を持っているのは、人間だけです。
死というものに対してこれほどまでに恐れているのも人間だけです。
私たちはなぜ死を恐れるのでしょうか。
何が私たちを怯えさせているのでしょう。
私たちは、自分が持っているものを失うのが怖いから、
これほどまでに死に対して怯えます。
私たちが持っているものとは、心が所有しているもの、
心が知っているもの、心が蓄積してきたもの全てです。
人間関係や地位、名声、財産、自分の楽しみや幸せ、友人、恋人、妻や夫、
また、学んだり、記憶してきた様々な知識や経験、信念、
自分の個性や人格、自己達成して獲得してもの―
こうしたすべてが心の所有物といえます。
心の所有、その自分が持ち、知っているものを手放したくない、
それらを失ってしまったら「自分はおしまいだ」となるので、
それで死に対してこれほどまでに怯えています。
私たちは、自分の心の所有(知識と経験=自己自身)にすがりつきますが、
まさにそれが恐怖を生じさせる原因となっています。
では、それら心の所有、知っているすべてを手放せるでしょうか。
もし本当に、自分の知っていることを完全に手放すことができれば、
そこには死に対する恐れはあるでしようか。
何も失うものを持っていなければ。死への恐れはあるでしょうか。
このことを理解することはとても重要です。
というのも、知っているすべてを手放して生きることが、
心に自由をもたらすからです。そこにはもう恐れはありません。
そしてこの真の自由から、生も死も含んだ、
まったく新しい生き方が訪れるでしょう。
このような心は死を超越しており、何ものも恐れず、
それゆえに真に自由に、活き活きと、豊かに、
一日一日をまったく新たなものとして生きるでしょう。
そこには衰えることのない創造性があります。
このような生は、不滅の輝きを持つのです。
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