「心の教育」はとても大切
2014年5月9日
若者の教育の中で重要な位置を持つものとは、
まずなによりも「自分自身の心を学ぶ」ということです。
心の欲望、怒り、悲しみ、虚しさ、葛藤、苦しみ─
こうしたものを若い頃から理解するように努め、
混乱のない人生を歩めるようにしなければなりません。
さもなければ、大人になってから何度となく心の混乱に縛られてしまいます。
若いうちから「心を学ぶ」ということに取り組んでいれば、
大人になってから大きな困難や精神的な危機に直面しても、
それに対処できる「知恵」によって、問題を乗り越えていくことができます。
もしくは、心を学んだおかげで精神的に強くなり、
あらゆる問題をごく自然に乗り越えていくことができます。
若いうちに自らの欲望や、自分の心を苦しめるものを理解し、
静かで豊かな、そして注意深い精神の基盤を持つことができれば、
彼は決して凡庸な大人になることはないでしょう。
そのような若者は、感受性が豊かな大人に、知性の深い大人に、
あらゆる苦しみを超えていくことができる非凡な大人に成長することでしょう。
今の教育を見ていると、単に知識を詰め込むだけで、
「心を学ぶ教育」がおろそかにされているように思えます。
専門知識を学ぶだけが教育ではありません。
会社に入るため、進学するために勉強することだけが学業ではありません。
そのような教育だけでは子供は真の大人に(そして真の人間に)成熟することはありま
せん。
生きるということは、
単に良い学校に入ったり、良い職に就くためだけのものではありません。
生きるということは、私たちが考えている以上に意義深いものです。
私たちは「心」と共に生きています。むしろ私たちとは「心」です。
心が人生を形作り、生活のありかたを形作り、すべてを左右するのです。
どんな良い仕事をもっても心が未熟ならば、その人は幸せにはなれないでしょう。
お金がたくさんあっても、不安や恐怖や悲しみに縛られている人は幸せでしょうか?
「心の問題」に直面し、それを理解し乗り越えられる「知恵」を養うことが大切なの
です。
なぜなら、それがなければ人生は問題と混乱ばかりが起き、
それに対処できずに打ちのめされてしまうのは明らかだからです。
心を学ぶことは、同時に「強い心」と「知恵ある心」を養うことです。
それがあれば、どんな困難にぶつかってもうまく対処できます。
若いうちから私たちが自分自身の心の問題に向き合い、
それを自分で乗り越えて行けるような精神的基盤を作ること、
私たち自身が自ら感受性を開き、自分の「心」に関心が持てるようにすること、
「心の問題」は人生の中で最も重要であるということを理解すること。
今の時代は、そのような新しい教育のあり方が求められています。
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