全てを捨て去る生き方
2011年10月28日
精神的な所有が多ければ多いほど、心の平安は失われます。
なぜなら、精神的な所有があるところには必ず恐怖があるからです。
自分が所有しているものを失うことに対する恐怖です。
私たちは様々な精神的な所有を持ちます。
自分に満足感を与えてくれる経験や快楽、または喜び。
友人、家族、恋人といった人間関係における精神的所有。
名声、名誉、人気といった世間から得られる精神的所有。
ほかにもお金、仕事、地位、霊的経験といった精神的所有もあります。
私たちは様々なものにしがみつき、それに執着します。
しかし、それらの所有があるところには必ず恐怖があります。
心が何かを得れば得るほど、恐怖は膨れ上がります。
心の所有が増えれば増えるほど、失うものも大きいからです。
自分の心の所有が失われるのではないかと怯えながら生き、
そしていざ失われると悲嘆と絶望に暮れます。
この過程には、恐怖と悲嘆の絶え間ない連鎖があり、
心はその牢獄の中で縛られます。その中には苦しみしかないでしょう。
恐怖なく、悲しみなく生きるにはどうすればいいでしょうか。
それは、一切の心の所有を捨て去って生きることです。
何も所有せず、何も求めず、空っぽで生きることです。
恐怖、悲しみ、絶望を超えた生き方とは、
心の所有を完全に捨てて、自分というものを放棄する生き方です。
その全的な放棄、心の無所有、無なる心にこそ、
人間の真の自由があります。
人間を際限なく苦しめているのは、己の心の欲望、エゴにほかなりません。
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