古き思考
2011年10月26日
思考というものは、常に古いものです。
思考とは記憶であり、記憶は過去のものです。
記憶されたものを反復するのが思考であり、
思考はどこまでいっても記憶の領域内にあります。
「生」というものは、一瞬一瞬新たなるものであり、
決して古いものの反復ではありません。
「今」という現実は、完全に新しいものです。
しかし思考があるとき、その新しさは覆われてしまいます。
なぜなら、思考とは記憶という過去だからです。
まったく新しい「今」を曇りなく見るためには、
思考という古い運動は止まらなければなりません。
思考は古いもの、既知なるものです。
しかし、今起こりつつある「生」というものは、常に新たなるものです。
新たなるものを感じるためには、
既知なるものは終わらなければなりません。
既知なるものがないときにのみ、未知なる新しさがあります。
思考が終わることで、未知なるものへの扉が開きます。
生の神秘は、決して思考の枠内にはありません。
思考によって生の神秘を捉えることはできません。
測り知れない神秘の次元を見出すには、
全ての既知なるものが終わり、頭脳は空っぽでなければなりません。
この「思考なき空白」それ自体が無限なものであり、
その中で未知なるものが不断に開示するのです。
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