マネーパワー

2011年9月19日

世界を動かす力の一つにお金の力があります。

お金の動きは、人間の経済活動を表現し、

ある意味、欲望やエゴを象徴しているといえます。

しかし、また、それは活力でもあり、人間の持つ生命力の表現でもあります。

お金は、食べること、暮らすこと、生きることのエネルギーの表現であり、

お金がなかった時代の、生物としての人間の生存にかけるエネルギーを

モノとして代弁するともいえます。

 

現在、百年に一度の経済恐慌と

それに引き続く金融緩和と金余り、それによる過剰な投機と

それによる途上国の食糧などの高騰による暴動

ギリシャに始まるヨーロッパの金融危機、

とばっちり的に必要性も必然性もない円高、など

どのように、一つの球がはじかれて、つぎつぎとどんな連鎖がおこるか、

誰にも先が読めないような、

ある意味クラッシュに向かうかのようなお金の動きがあります。

学者やアナリスト、実務家などの多くの経済人がその危険性を警告しています。

経済やお金の動きは、人の合理的な発想で読めないところがあるのです。

 

「経済活動とは、合理的な判断のもとに自己の利益を最大化するための働き」、という定義がありますが、

「自己の利益への合理的な判断」とは、どのようなものでしょう?

 

自分が得をするという事柄に関しても、人間の思いは様々で、

現在の経済学の基礎となるゲーム理論でも、

囚人のジレンマなど、自己の利益の最適化をどのように考えればいいかを示しますが、

人間は常に正しい、かしこい選択をするとは限りません。

 

目先の欲望に負けたり、

広い視野や長期的な発想ができなかったり、

感情的気分的にできなかったり、

必要な情報がなかったり、

故意に大切な情報に対し耳をふさいだり、

ある種の面倒くささのために何もしなかったり。

そのようなものが、人間の合理性や理性の働きを阻んでいるのです。

 

長い歴史の中で人間もなにがしかを学び、

「自分の目先の欲望のためだけに

助けを必要とする他の人々を放置しておくと

いつか自分にも致命的な災難がやってくる。」

ということを知ります。

市民革命がおこり、マリー・アントワネットが断頭台の露と消えたり、

イスラム原理主義がアメリカを目の敵にしたり、

いろいろな場面で、人間はそれを思い知らされます。

 

ゲーム理論や理論生物生態学では、

一見利他的な行動が、実は自分の利益につながるということを示します。

「情けは人のためならず」は、

(注;「人に情けをかけるのは、人のためでなく自分のためにもなるんですよ」の意味)

理論的にも真実であるのです。

 

先進国の経済規模のたった1%弱を使うだけで、世界の飢餓が無くなるという話があります。

人間の合理性や理性を働かせるためにも、

まずは、情報に目を向け耳を傾けるのもいいかもしれません。

日常的な思考だけでなく、

将来何が起こるかわからない、というリスクマネジメントができないと

いつか自分もやられます。

 

 

 


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