無の神秘
2011年9月21日
心の完全な沈黙は、心の完全な自由です。
あなたの心が何かに満たされ、それに執着しているならば、
それを失った時の「喪失感」は耐え難いものになります。
この喪失感は、心に深い悲嘆や絶望を生じさせます。
自暴自棄になったり、うつ病になったりするのも、
この心の喪失感が元となっている場合がほとんどです。
では、この喪失感が生じないように生きることは可能でしょうか。
それは最初から何ものにも依存せず、何ものとも結ばれていない心を持つことです。
自分を満たしてくれる対象を何一つ持たないということです。
そのような無所有の心というのは、常に深い沈黙と平安に包まれています。
それは何もない「無」の安定性です。
あなたの心が何ものにも満たされていない、満たそうとしない。
それは何も得ることがなく、何も失うことがない。
それゆえそれは完全に自由な心であり、その底知れない無の空白から、
未知なるものへの感受性が養われます。
未知なる神秘を感じられる心は、無の心のみであり、
何ものも持たない無だからこそ、それは無限の可能性を持ちます。
神秘は無と共にあり、その無が神秘への感受性を研ぎ澄ませます。
何もない無だからこそ、それは測り知れない可能性を持ち、
無限に広がる未知なるものを感受することができるのです。
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