「働かざる者食うべからず」の誤解

2011年9月13日

「働かざる者食うべからず」の誤解

(はたらかざるものくうべからず、
en:He who does not work, neither shall he eat)は
労働に関する格言ですが、
どうも誤解されて憶えられているようです。

新約聖書の一書でテサロニケの信徒への手紙二という
使徒パウロの書簡といわれるもののなかの
3章10節にある「働きたくない者は、食べてはならない」が
元になった格言です。

『兄弟たちよ。主イエス・キリストの名によってあなたがたに命じる。
怠惰な生活をして、わたしたちから受けた言い伝えに従わないすべての
兄弟たちから、遠ざかりなさい。わたしたちに、どうならうべきであるかは、
あなたがた自身が知っているはずである。
あなたがたの所にいた時には、わたしたちは怠惰な生活をしなかったし、
人からパンをもらって食べることもしなかった。
それどころか、あなたがたのだれにも負担をかけまいと、
日夜、労苦し努力して働き続けた。
それは、わたしたちにその権利がないからではなく、
ただわたしたちにあなたがたが見習うように、
身をもって模範を示したのである。
また、あなたがたの所にいた時に、
「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」と命じておいた。』

これは「働きたいが働けない人は食べてもよい」との条件下での言葉です。
のちにかつてあった社会主義国であるソビエト社会主義共和国連邦の憲法
「ソビエト社会主義共和国連邦憲法(通称スターリン憲法、1936年制定)」の
第12条に勤労の義務規定として盛り込まれました。

「第12条
ソ同盟においては、労働は、『働かざる者は食うべからず』の
原則によって、労働能力あるすべての市民の義務であり、名誉である。」

つまり「働かざる者」ってのは、不労収益の資産家・地主のことです。
骨折して療養中のパートのおばちゃんや、求職・障がい・定年の方は
「働けない者」です。
疑問の有る方はどうか日本国憲法を読んでください。

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