神秘の扉 マイスター・エックハルト NO.11
2013年9月20日
人間の本質が完全に善なるものとなる根源、
さらには人間の為す仕事が善なるものとなる根源、
それはその人間の精神が完全に神に向かうということにほかならない。
神が人間にとってより偉大で、真理なるものとして存在し、
自身の生活全体が神に傾注するようになること。
そのような境地、聖なる資質、態度が増えれば増えるほど、
人間の為す仕事はその種類を問わず、ますます光り輝き、善きものとなる。
神と共に歩め。
そうすれば神もまた人間と共に歩んで下さる。
神を探し求めよ。
そうすれば人間は神と善なるものを見出すであろう。
このような強き心で日々を生きるならば、
たとえその人間が為す仕事がたった一つの石を砕くような小さなものであっても、
それは人間にとって神々しい高貴な仕事となる。
神と共に歩むとは、我意を捨てて生きることにほかならない。
我意から離れることのない精神は神も善も見出すことはない。
しかし我意を捨てて神と共に人生を歩むならば、
その人間には自然とあらゆる徳も宿ってくるのである。
そうして今まで探し求めていたものが今度は向こうからやってくるのであり、
何とかして避けようとしていたものが今度は向こうから消え去っていく。
神と共に生を歩む者には、神的なものも自然とまとわりつく。
そして神にふさわしくないものはその人間から逃れ去る。
こうして神的で聖なる光に溢れて生きる人間こそ、真の人間なのである。
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