神秘の扉 マイスター・エックハルト NO.3
2013年4月17日
思慮深い人はみな、注意して聴いてほしい。
人間を完全性へと運びゆく最も大きな力とは「苦しみ」である。
最も大きな苦しみに立つ人たちほど、
永遠なる甘美を多く受け取る人もいない。
苦しむことは確かに苦い(にがい)経験である。
しかし苦しんだことほど甘美なこともないのである。
世間では、苦しむことほど惨めで醜いものはないとされるが、
逆に神の前では、苦しんだことほど魂を飾るものもないのである。
このような完全性へと至ることができる最も確固とした基盤は「謙虚さ」である。
その人の人間としての本性や固有性がこの世で最も低く身を屈めれば、
その人の霊(精神)は神性のはるか高みへと飛翔し、高められるからであり、
愛は苦しみを、苦しみは愛をもたらすからである。
それゆえ、完全性に至ろうと願う者は、
完全なる謙虚な精神を持とうと努めなければならない。
そうすれば神性の近くまで至ることとなる。
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