漠然とした不安
2012年3月13日
人間という存在は、何かしら漠然とした不安をいつも抱えています。
自分で何に対して不安を抱いているのかがわからず、
わからないまま得体の知れない不安感にさいなまれているのです。
原因や理由のわからない不安というものは底のない闇のようなものです。
この得体の知れない漠然とした不安というものは一体何なのでしょうか。
そしてなぜそれは生まれるのでしょうか。
その答えは、まさにその不安の中にあります。
私たちは、得体の知れない未知の闇を恐れています。
その底知れない虚無、底の見えない虚無に対する恐れ、怯えです。
「漠然としているもの」とは、まさにその「虚無」です。
私たちは何もない「無」を、その「空白」を恐れているのです。
ではなぜその「虚無」を、底なしの「空白」を恐れるのでしょうか。
それは、その虚無、何もない無が「自分」を飲み込み、
「自分」が失われると思うからです。
自分が自分でなくなり、ただの無でしかなくなってしまうことへの恐れです。
私たちは「無」を恐れているのです。
そしてそれは同時に「自分」を失ってしまうことへの恐れです。
「漠然とした不安」とは、「何もない虚無への不安」、
「自分が消えてなくなることへの不安」、「自分が自分でなくなることへの不安」です。
不安の根源は、自己消失への恐れ、怯えであり、
果てしないと思える虚無の深遠に対する心とエゴの反応なのです。
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