心の空虚さを超える

2012年2月2日

人間の心は空虚さというものを持ちます。
それは何もない空白感、底なしの闇のようなものであり、
私たちにとっては苦痛でもあれば恐ろしいものでもあるでしょう。

しかし、この空虚さからいつまでも逃げているわけにはいきません。
空虚さから逃げても、それは一時的な逃避にすぎず、
なんら根本的な解決にはなっていないからです。

空虚さから逃げるということは、問題を先延ばしにしているだけです。
なぜなら、やがては再びその空虚さは姿を現すからです。
空虚さを乗り越えるには、その空虚さから逃げるのではなく、
空虚さそのものに留まらなければなりません。

空虚さに留まり続け、それと共に生きること。
そうすることで人間の心はやがてその空虚さに慣れてきます。
そして空虚さそのものこそが心の真の平安だということに気づくのです。

真の心の自由とは、静謐なる心を持つことです。
その心の静謐は、空虚さと共にあります。
空虚だからこそそれは静謐であり、いかなる心の混乱もないのです。

この心の静謐と沈黙は、やがて真の宗教的な生へと繋がっていきます。
真の創造性と宗教性は、無限なる虚空の内にあります。


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