「死」から学ぶ

2012年1月26日

「死」とは、意識の終わりです。
私たちは意識を持って生きています。
人生とは意識の内容そのものであり、
その意識の内容が私たち一人一人の人間です。

その意識の中身には、その人のあらゆる心の所有があります。
世俗的な成功や野心、名声や地位、お金への執着。
または精神的な支え、友人や家族や恋人、自分の理想、快楽、楽しみ。
さらには霊的な成就への欲、スピリチュアルな意識の追求。

これら一切が「意識」です。
人は意識によって生き、その意識の中身に依存しながら生きています。
その意識の中身がその人の心のよりどころ、心の支えです。
それがなくなることは心の支えを失うことであり、
そうなると人は恐怖、不安、悲しみ、絶望といった状態に陥ります。

では、私たちは「死」から何を学べるでしょうか。
「死」とは、意識の中身が全てなくなることです。
私たちは、いずれなくなるものに執着して生きているのです。

意識の中身はいずれ必ずなくなってしまうということ。
どんなにそれを所有していたくても、死は必ずやってくるということ。
そうであれば、生きているあいだに自分の意識に執着するということは、
なんと生の浪費でしょうか。
やがて失われるものに執着して、常に恐怖に囚われて生きるのは未熟です。

自分の意識に執着するのは無意味だということ。
それらはやがて必ず失われるのだということ。
人間の真の心の自由は、一切の執着を捨てたところにあります。
「死」という現実が、その真理を教えてくれます。


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