あるがままであることの大切さ

2014年9月19日

青空と雲と光

私たちは「こうありたい」「こうなりたい」「こうじゃなきゃだめだ」
というように、理想や自己実現への欲求を持ってしまいがちですが、
本当に大切なものは、今の「あるがままの現実」です。
あるがままを生きることが、本当の生です。

自分はこうなりたい、こうありたいと言うとき、
人は野心と欲望にとらわれています。
それは自分への執着や利己心が生み出すもので、
そのような自己執着や利己心というものは、
結果的に挫折、悲しみ、恐れ、不安、葛藤─といった心の苦痛に繋がっていきます。

あるがまま以外の「何かになろう」とするとき、
そこにはすでに心の混乱や逃避があります。
その野心、欲、あるがままからの逃避があるとき、
絶えず「あるがままの自分」と「あるべき自分」との間で葛藤し、
その枠の中で心を闘わせながら生きています。
そのような闘いの中には、心の自由はありません。

そしてまた、「何かになろう」と努力し、追求するとき、
それは偽善的で、時に冷酷になったりもします。
なぜなら、そのような追求は常に自己中心的なものだからです。
そこには美や善はありません。

では、美や善、優しさや、心の自由が花開くにはどうすればいいでしょうか。
それは「あるがまま」のままであることです。
「あるがままの自分」であること、それを変えようとせず、
それと共に生きて、それを理解していくことです。
何かに「なろう」としたり、自分とは別の自分を追い求めるのではなく、
あるがままの今の自分から目を背けずに、そこに留まり、
嘘偽りのない正直で誠実な生き方をするということです。

心の自由や、愛や美は、「何かになろう」とするところにはありません。
それは、あるがままを生き、それを理解するところにあります。
そこには何かになろうとすることも、到達したい自分というものもありません。
「あるがままである」ということ、「あるがままの自分」を理解すること。
あるがままと共に生き、やがて深く自分の心の問題を理解していくことができれば、
おのずとそれが心に自由をもたらし、美、善、愛が花開くでしょう。


Trackback URL

http://spiritual-public-foundation.org/message/20136/trackback


世界を変える