「自分」を手放すこと
2014年8月19日
私たちは、自分というものに執着して生きています。
「自分」というものが私たち人間の生の基盤とも言えます。
しかし、同時にその「自分」こそ、恐怖の元凶でもあります。
私たちの多くは、自我に縛られています。
自分の出世、自分の未来、自分の所有、自分の人間関係、
自分の仕事、自分の財産、自分の名誉、自分の人気、
自分の知識、自分の幸せ、自分の地位、自分の生きがい―
こうしたすべてが「自分」です。
ですが、何かを所有し、持っていれば、
当然それを失うことへの恐れが生じます。
自分というものを保持し、守り、強化すること―
そうすればそうするほど、恐怖は大きなっていきます。
この自己執着があるかぎり、私たちは恐怖のとりこになってしまうでしょう。
なぜなら、恐怖とは「自分を失うこと」に対する衝動だからです。
恐怖の根は「自分」というもの失うことにあります。
人は「自分」を失うことを恐れ、それを手放そうとしません。
しかし、手放さないなら手放さないだけ恐怖は延々と続きます。
「自分を失いたくない」という心の動きがまさに「恐怖」です。
自己への執着があるかぎり、私たちは恐怖の鎖に縛られたままです。
この真実を見、自分への執着を断ち切ること。
自分というものを手放すこと。
それが本当の心の自由への鍵です。
自分に執着する心を、本当に断ち切れるかどうかです。
本当に自分というものを手放し、心をその縛りから解放すれば、
心そのものは風のように自由になるでしょう。
それは何ものにも縛られない、天真らんまんな心です。
本当の幸せは、そのような自由な天真らんまんな心と共にあります。
それは恐怖なく、不安なく、悲しみなく、
子供のように無垢で、自己に執着することのない自由な心です。
自分を手放すこと―そのとき、私たちは本当に自由になるでしょう。
そしてそのような自由から、生きることの真の豊かさが生まれてきます。
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