「恐怖」という感情

2014年4月23日

紅葉したモミジ

人間には「恐怖」という感情が宿っています。
恐怖は人間にとっての負の感情です。
この負の感情である「恐怖」の原因は何なのでしょうか?
私たちはこの感情を理解し、それを乗り越える必要があります。
なぜなら、恐怖に縛られるかぎり、自由も幸福もないからです。

恐怖の根は、「自我(エゴ)」にあります。
「私」というものへの執着、それが恐怖を作っているのです。
ではその「私」とは何なのか、具体的に説明してみましょう。

私は自分の財産を持っている。私はそれを失いたくない。
だから私は「財産を持っている自分」が失われることを恐れる。
私は自分の名声や人気、世間での評判や社会的地位を持っている。
だから私はそれを失うことを恐れる。
私は自分の友人や恋人を持っている。だから私はその人を失うことを恐れる。
私は自分の将来や希望、生きる目的を持っている。
だから私はそれを失うことを恐れる。

このように、恐怖とは「私」のものを失うことへの反応なのです。
心の対象は、人によってさまざまでしょう。
心の対象、つまり何かへの執着です。
それはお金であったり、恋人であったり、名声であったり、理想であったり、
とにかく「私」というものを意識できる対象、その対象への執着です。
その執着が「自我(エゴ)」であり、それを失うかもしれないという反応が恐怖なのです。

よって自我(自分自身)にしがみ続けるかぎり、恐怖はなくなりません。
自我と恐怖は、常に同じ動きのなかにあります。
しかし、恐怖を乗り越えるヒントもここにあります。
自我を克服し、自我の縛りから解放されるならば、恐怖もまた消えてなくなります。
自分を手放し、自分に執着することをやめることが大切なことです。
そうすることで、恐怖を乗り越えていくことができるのです。

自我と恐怖は表裏一体の同じコインです。
一方がなくなれば、他方もなくなります。
自我がないとき、恐怖はなく、恐怖がないとき、自我もないのです。
この真理を悟ることが、自由への第一歩です。


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