人間関係への執着

2014年1月23日

菜の花と青空と日差し
自分を失うのが怖い、自分というものを感じられなくなるのが怖い、
だから誰かとのつながり(人間関係)を求めたくなります。
でもそのつながりに執着すれば、そのつながりを失うことへの不安が生まれ、
そして実際にそのつながりを失ったときは悲しみと絶望が生まれてしまいます。
そうしてそこからさらに孤独の痛み、虚しさ、刺々しさが増大してしまいます。
そうなるとまたその虚しさと孤独から逃避するために、心は他者とのつながりを追い
求め、
焦ったり、混乱したり、苦しんだりします。結局はこの繰り返しになってしまいま
す。
つまり、そういう堂々巡りの鎖の中に縛られたままになってしまうということです。

つながり(関係)に対する依存度(執着の強さ)が大きければ大きいほど、
それを失うことへの不安や恐怖も大きく、それを実際に失ったときのショックも大き
いです。
そしてまた心の虚しさから新たなつながりを求めようとしますが、
でもそのつながりもやがては必ず断ち切られてしまうものです。

人間は常に心の安定を求め、虚しさから逃げ、そのために人間関係に依存します。
そのような追求や自分を満たそうとする活動そのものが、
まさに「苦しみの連鎖」であるということに気づくことが大切です。
人間関係への執着は、裏を返せば「自分」というものへの執着です。
しかし、その「自分」への執着がまさに苦しみの根なのです。

どんなに逃避しても、決して根本的な問題の解決にはならないということ、
自分を満たそうとする衝動に囚われているかぎり、心の不安や混乱は終わらないとい
うこと、
虚しさから逃げることそのものが、虚しさを継続させているということ、
虚しさや孤独から逃げても、決してその苦しみを終わらせることはできないというこ
と、
こうした現実にまずしっかりと気づき、そのことを理解することが大切です。

逃げるために人間関係に依存することは、苦しみを継続させることにほかなりませ
ん。
心の安定を求めて虚しさから逃げ続けるかぎり、真に心が安定することはありませ
ん。
逃げることそのものが、苦しみなのです。
よって、まず初めにしなければならないこと、どうしてもしなければならないこと
は、
あるがままの現実から「逃げないこと」です。
孤独、虚しさ、その心の痛み─そこから逃げないこと。
逃げないことによってのみ、新しい知恵と洞察が生まれ、精神は強くなり、
それによって人間として真に成長することができるのです。


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