天使のメッセージ NO.16
2014年1月21日
ある女性がこう語ったことがあります。
「私の心の中に、ぽっかりと空いた暗闇がある。
この何もない心の空白が嫌で嫌でしかたがない」
この言葉には、人間が抱く心の苦しみの根が現れています。
人間の多くは、意識するしないに関わらず、
自らの心の中にある空白、その広大な未知の暗闇に怯えています。
彼女が語った言葉には、
「虚しい人生」が嫌でしかたがない、「何もない自分」には耐えられない、
という意味が含まれています。
だからそんな自分から逃れるために、
娯楽や享楽に身をゆだねたり、仕事に没頭して我を忘れたりして、
何とか心の虚しさ、虚無を紛らわそうと衝動的に活動するのです。
人間は、自分の人生の虚しさから逃げ、心の暗闇から逃げ、
いつもそこに怯え恐れながら生きています。
しかし、逃げているだけなら、
心の虚しさから生まれる刺々しい苦しみを乗り越えることはできません。
いつまでも、忍び寄る虚無感に怯え続けるならば、
そのような人生には自由はなく、葛藤や不幸が必ずつきまとうでしょう。
このような恐怖は人生を硬直させ、光を失わせ、
本来の生の豊かさや幸福を窒息させてしまいます。
恐怖や不安を乗り越え、虚しさを超え、暗闇を取り払うためには、
ただ逃げているだけではだめなのです。
そのような自分自身と真正面から向き合わなければなりません。
恐怖を超えるためには、恐怖と向き合わなければなりません。
不安を超えるためには、不安と向き合わなければなりません。
虚しさを超えていくためには、虚しさから逃げずにそこに留まらなければなりませ
ん。
暗闇を取り払うためには、暗闇の中にいなければなりません。
何ごとも逃げることなくそれそのものに留まることによって、
それを乗り越えられる叡智と精神性が育まれるのです。
逃げるところから、不幸が生まれます。
たとえ苦しくても、自分の心の刺々しい虚しさや暗闇から顔を背けず、
それを受け入れて日々生き抜くことによってのみ、
やがてそこから新しい光が見出され、人生が新しい次元へと飛翔します。
あるがままの現実と向き合うことで心は成熟し、智慧は育まれ、
苦しむことで人間は生まれ変わり、新しい生の次元へと移行するのです。
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